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連絡事項、作品への言い訳、どうでもいい日常などなど・・・。 ただ今お礼兼リハビリSS公開中です。お礼SSカテゴリからどうぞ。
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2025/01/31 (Fri) 15:58
Posted by azu
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伸びた影と夕日




「影がだいぶ長くなりましたね」
そう言って、少女は笑った。





この前の逢瀬から、どれほどの月日が経ったことか。




――――こんなにも長い時間、放っておくなんて。





少女の一言が、男には、そう言っているように聞こえた。



決して、彼女はそんなことを言ったりはしない。
きっと、心にすら上ることは無いだろう。
それでもそんな風に感じてしまうのは、己の中に負い目があるからだ。


つらいときに、そばに居てやれない。
逢いたいという言葉も無理やり飲み込んで、己が職務を全うすることに全力を注ぐ。
そうすることしかできない。
そうすることが、互いのためだと己に言い聞かせ続けるしかなかった。





俺が俺でなかったら。

ただの、一人の男として彼女を愛せたならば。











ならば?











「手を・・・つないでいるみたいですね」



深い物思いから覚め、顔を上げると、少女がはにかんだように笑っていた。

「ほら」

視線の先をたどると、長く伸びた二つの影が、手をつないでこちらを見ていた。
ほんの少しだけ広げるように伸ばした少女の手は、軽く握られた男の手にちょうど重なっていたのだ。



男は傾きかけた夕日をまぶしそうに眺めてから、唐突に少女の手を握り締めた。


「影ではお前のぬくもりが感じられん」
唇の端をあげて、男もまた笑った。




ー了ー



COUNT TEN.様からお借りしたお題を使用しています。




今日は(たぶん)尚隆目線で。
そんな風に負い目を感じてしまう男の心情を、きっと少女もわかっているのかもしれません。
きっと、「俺が俺でなかったら」彼女は貴方に惚れなかった。
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